住みたい街が増えている!2012年の再開発

街が新しく生まれ変わるきっかけとなる再開発事業。2012年も全国各地で大規模な再開発事業が進行しています。 その中でも注目される再開発事業について、どのような取り組みが行われようとしているのか、詳しく見て行きましょう。

国際ビジネス拠点としての機能を強化する大手町 国際ビジネス拠点としての機能を強化する大手町

東京・大手町では、皇居外苑に建つ2棟のオフィスビルを、国際ビジネスの支援機能やテナントのBCP(事業継続計画)対応の防災機能完備の最新鋭ビルに建て替える開発計画が進められ、 2012年6月11日に東京都が都市再生特別地区の都市計画決定を告示しました。

りそな・マルハビルの跡地に地上22階地下5階建てのA棟、三菱東京UFJ銀行大手町ビルの跡地に地上29階地下5階建てのB棟が建設されます。 いずれも大手町エリアでは最大級のフロア面積を持つオフィスビルになる予定です。

A棟には環境ビジネスの情報交換の拠点としてエコシティ・センターが設置され、健康施設やランニングステーションなども設けられます。

B棟の高層階には宿泊・ビジネス拠点となるサービスアパートメント120室が設置され、東京の国際ビジネス拠点としての機能強化を目指します。
丸の内、大手町エリアでは国際的なビジネスセンターの機能を持たせるためのオフィスビルの建て替えが進められています。

また、2012年10月の「丸の内駅舎復原工事」完成にあわせ、歴史と先進性が融合した魅力あふれる駅として東京駅が生まれ変わります。 赤レンガの駅舎として知られる東京駅丸の内駅舎は、2007年より復原工事が開始し、今年2012年の10月に完成予定。駅舎の外壁などの主要部分は保存・活用しつつ、戦災で消失した屋根や駅舎3階の外壁が創建当時の姿に復原されるとのことです。 駅施設のほかに東京ステーションホテルや東京ステーションギャラリーが入ります。

駅周辺の再開発プロジェクトで変貌する中野 駅周辺の再開発のプロジェクトで変貌する中野

JR中野駅周辺では、2012年6月に「中野ツインマークタワー」が竣工し、大規模なオフィスビル計画が進められています。 また、中野駅北口の東西連絡路も開通し、中野駅地区第1期整備が完了しました。

中野駅周辺の整備計画は今後も第2期、第3期と計画されており、中野駅周辺は今後約20年間の長期的な整備計画が進行することになっています。

「警察大学校跡地」には、2013年春には明治大学、帝京平成大学の2校が新キャンパスを開校、2012年度には早稲田大学も建設工事に着工し、開発が進められています。

また、キリンホールディングスや栗田工業の本社も1年以内に移転してくる予定で、学生や会社員を合わせて、約2万人が新たに中野に集まると想定されます。今後は「学園都市」や「ビジネス街」というイメージが強まりそうです。

コンサート会場として親しまれているJR中野駅前の「中野サンプラザ」は、2018年以降に隣接する中野区役所との一体再開発のため、解体も視野に入れた再整備が検討されています。

再開発予定地区内では、マンション分譲の計画がないということもあって、周辺で販売されるマンション物件などに人気が集まっているようです。

観光地としての魅力をさらに強くする浅草 観光地としての魅力をさらに強くする浅草

浅草周辺では、東武浅草駅ビルの改修工事が行われており、約80年前の駅ビル建設当時のモダンな外観が現代に蘇りました。浅草駅ビルのシンボルであった大時計を再び設置し、夜にはライトアップも行われます。

また、浅草駅施設のリニューアルとして外国人旅行センターを移設、待合室やカフェが新設されました。2012年11月には新たな商業施設としてリニューアルされます。

東京スカイツリーや雷門など、今も昔も変わらず東京の代表的な観光名所として、現代的な部分と伝統的な部分の両面を併せ持つ浅草は、さらに魅力的な観光地となるべく、老朽化したオフィスビルなどを、新たに観光客向けのホテルへ建て替える計画も進められています。

大型ビルの建設計画が続く渋谷 大型ビルの建設計画が続く渋谷

渋谷駅周辺では、2012年4月に開業した複合商業施設「渋谷ヒカリエ」に続き、大型ビルの建設計画が今後も続いています。

渋谷を「日本一訪れたい街」と位置づけ、渋谷駅や駅南部の再整備を進め、商業ビルやオフィスビルの建設を計画、再開発する方針のようです。

ただ、渋谷駅周辺の土地区画整理は2026年度までかかる見通しということもあり、実現するのはまだまだ先になりそうです。

渋谷駅前から少し離れた南平台のビジネスエリアでは、エリア最大級の大型ビル「渋谷ガーデンタワー」が竣工。

全フロアの入居企業が決定した状態でのオープンとなったこのビルは、展示会や株主総会など、大規模なイベントにも対応できる都心最大級の大型多目的ホール「ベルサール渋谷ガーデン」を併設。

また敷地の南東側には、四季折々の草木が楽しめる3500平米のガーデンゾーンを設け、人々に憩いの場を提供するとともに、災害時には一時避難場所としても機能する事になります。

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