申込手続き
購入物件が決まったら、現地の販売事務所などへ出かけて申し込み手続きを行いましょう。
先着順受付の場合は認印と、所定金額の『申し込み証拠金』を持参します。申し込み証拠金は不動産業者によって様々ですが、数万円~20万円というケースが多いようです。
申し込み証拠金は実務の慣例から生まれた制度で、法律上の制度ではありません。申し込み証拠金を払っただけでは売買契約はもちろん、売買の予約も成立しません。
申し込みの撤回は、原則として自由に行うことができますが、トラブルに発展することもあるので事前に確認することが大切です。
なお抽選に漏れた場合、申し込み証拠金は返してもらえます。
重要事項説明
購入が確定したら契約までに「重要事項説明」に出席しましょう。
これは物件の“重要”な事項を示した書類を説明するもので、宅地建物取引業法では、宅地・建物の売買契約を行う場合、物件と取引についての重要事項の説明をすることが義務付けられています。
説明会では物件の概要などパンフレットに沿った内容を中心に行っていきます。後半はその物件特有の条件、約束事などの説明が並ぶので特に重要です。
これを聞き漏らすと住んでからトラブルの元になりますので、しっかりと耳を傾けましょう。
またこれは、物件を検討する最後の機会ですので非常に重要です。事前に書類のコピーをもらって読んでおくとベストです。
疑問に思うことがあればどんどん質問しましょう。書類に示されている用語や言い回しは難しいことがありますが、尋ねればきちんと意味を説明してもらえます。
物件にまつわる多様な情報が書かれていますから、納得できるまで質問し、不明点は解消しておきましょう。
重要事項説明会で説明される内容
- 登記簿に記載された事項
- 法令に基づく制限の概要
- 私道負担に関する事項
- 飲用水・電気・ガス並びに排水施設の整備状況
- 建物及び敷地の工事完了時における形状
- 構造その他国土交通省令で定める事項
- 代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び目的
- 売買代金等の支払いについて
- 契約の解除に関する事項
- 違約金及び遅延損害金に関する事項
- 手付金等の保全措置の概要
- 支払金または預り金の保全措置の概要
- 供託所等に関する説明
- 提携ローンの概要
- 領収書の発行について
- アフターサービス
- 設計図書の縦覧場所
- 登記および規約公正証書に関する事項
- 売買契約書について
- その他
売買契約
重要事項説明が終わるといよいよ売買契約です。この際に所定の手付金を払います。金額は不動産会社によって様々。
金額が多いときは不動産会社が倒産したときに戻ってくる『手付金などの保全措置』の有無を確認しておきましょう。
契約時の注意
不動産売買契約は「不動産売買契約書」を用いて締結されます。売買契約書は取引内容や当事者の権利・義務などを明らかにし、安全・確実な売買の成立を目的としています。
買主・売主の双方が署名捺印をして買主が手付金を支払って契約が成立します。
締結後は契約書の記載内容に基づいて権利や義務を履行することになり、義務に違反すると違約金の支払いが必要になる場合もあるので不明な点は仲介業者に確認をとることが大切です。
住宅ローン申し込み
住宅ローンは契約締結後に申し込みます。必要書類をよく読んで、納得したら印鑑を押します。
公的金融機関では、ローンの承認が下りるまでには数カ月ほどかかることがあり、場合によっては入居直前になることも。
入居までに売主への全額代金を用意しておかなければなりませんので、この場合は民間金融機関から一時的にお金を借りる「つなぎ融資」が必要になります。
また住宅ローンが借りられない場合は、売買契約の取り決めに従って解約することになります。
このときに手付金を戻してもらえるかどうかは重要事項説明書と売買契約書に記載されているので、先にチェックしておきましょう。
税金、税制特例
住宅購入では、物件の購入代金以外にも様々な費用がかかります。税金は優遇を受けられる場合もあるので、ぜひ知っておきましょう。
- 住宅ローン控除
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住宅ローンを借りて、自宅の購入・新築・増改築をしたときは「住宅ローン控除」を受けることができます。
住宅ローン控除とは、所得税の住宅借入金など特別控除のこと。これは住宅ローンの借入金残高に応じて所得税が減税される制度です。
この特例を受けるのは確定申告が必要です。サラリーマンの場合は、初年度に確定申告を行えば、2年目以降は勤務先の年末調整で控除を受けることができます。
- 住宅所得資金贈与の特例
- 個人から物をもらうと贈与税がかかります。現金だけでなく、土地や建物を無償でもらったときや不動産などを時価に比べて著しく安く買ったときにも購入金額と時価の差額に対して課税されます。