不動産売却査定(不動産査定)時の算出法の違いと注意すべきポイント!

不動産売却査定(不動産査定)時の算出法の違いと注意すべきポイント!

不動産売却査定時の算出法の違いと
注意すべきポイント!

国交省の不動産価格指数(令和4年9月分)によると2013年以降、全国の不動産価格は上昇傾向にあります。
特にマンション(区分所有)の価格指数は186.7(平均100)と大幅な伸びを示しており、売り手市場となっています。

現在、一般消費者向けの不動産一括査定や無料簡易査定など、様々な価格査定サービスが展開されており、利用をお考えの方も多いのはないでしょうか。

そこで、大切な資産の査定価格が適正か否かを見分けるポイント、専門的な算出方法の違いについて解説していきます。

2023年2月調べ

引用:国交省 不動産価格指数

STEP1 
不動産査定の依頼

ポイント!

不動産売却査定を依頼する不動産会社を選ぶ際は、知名度だけで選ばずに、必ずホームページを確認しましょう。
期限内に売却できなかった場合に「即買い取り」や「買付保証」などを付けてくれる会社もあるので、各社のサービス内容を事前に確認しておくことが大切です。

売却・仲介実績に注意

現在、不動産流通市場の大半は不動産ポータルサイト等のインターネットが入口となってますが、いまだに「高く売ります?」「今が売り時?」などのチラシがご自宅のポストに投函されていることも多いと思います。
チラシだけで安易な査定依頼はせず、事前に今までの売却・仲介実績や、口コミなどを調べてから査定依頼をしましょう。
例えば記載されているメールアドレスに問い合わせを入れてみて、反応感度やレスポンスを見ることで、インターネット販売活動に習熟しているのか確認することができます。無暗に来店を促す会社には情報の引き出しが少ない可能性があります。

一括査定サイト利用時の注意点!

一括査定サイトでは一度に複数の会社に査定依頼ができ、自分に合った会社を選べます。また、急な転勤等による売却、遠方の実家の売却等々、それぞれの状況や地域を得意とする会社を複数ピックアップしてくれるので、とても便利です。

代理人(親族)でも査定依頼は出来ますが、本人(名義人)との関係性が確認されます。
また、登記簿謄本を確認する為に所有者名義が確認されますので、必ず事前に所有者の合意を得るようにしましょう!

STEP2 
価格査定書のチェックポイント!

取引事例比較法

取引事例比較法は、現在流通している類似事例と直近で成約した類似事例を元にした価格算出法です。

一括査定サイトから回答される価格は主にビックデータから査定対象地と類似する物件情報を元に、取引事例比較法で簡易(ざっくり)に算出した結果であることが多く、サービス会社によっては、価格に1000万円以上の開きが出てしまうのはこのためです。
従って、流通(販売)類似事例での査定は売却希望額を元にした査定なので、実際の成約価格より高く算出されるケースが多く、成約(契約済)類似事例での査定は実勢価格を元にした査定なので、実際の成約価格より低く算出されるケースがあります。
この事からも、どちらのケースに偏ることなく、両方の事例を検めることが重要となります。

収益還元法(賃料還元法)

収益還元法とは、その賃貸用不動産を所有することにより、将来得ると期待される収益を基に、その賃貸用不動産の試算価格を求める算出法です。
収益とは「儲け」であり、収益還元法では、その賃貸用不動産や事業用不動産を所有することにより得ると期待される「儲け」の額を基に、その賃貸用不動産の適正な価格を求めます。
また、物件売却時にも査定価格の価値根拠の一つとして求められる算出法となります。

原価法

原価法は、別名”積算法”とも言われ、対象となる土地で住宅を新築した場合の価格を算出し、耐久年数やリフォームによる改修などを加味した価格算出法です。主に中古の戸建住宅の価格査定に用いられます。

路線価

路線価は税務署(国税庁)が決めるもので、主に相続税や贈与税にかかわる土地の評価額を出す際に用いられます。
地価公示価格の80%程度が目安となっています。
路線価をベースにした提示査定価格は、売出提案額が低く算出されるため、不動産会社は売りやすくなりますが、売主にとっては適正価格で無い場合が多いので、注意しましょう!

公示価格

公示価格とは、国土交通省が発表する毎年1月1日時点における「標準地」の正常な土地の価格です。
「標準値」は全国で約2万3,000カ所が選定されていますが、必ずしも査定対象地の近くにあるとは限らないので、提示査定価格と大差がある際の確認指標として用いるのが良いでしょう!
特に、路線価ベースで査定価格を算出している場合は、必ず公示価格もチェックしましょう!

STEP3 
売出提案額の理由をチェック

周囲や類似の事例に比べて、売出提案額が低くなる場合があります。
一般的に、下記の様なケースは価格が下がる傾向にあるので確認しておきましょう!

  • 既存不適格(今の法律に合致していない住宅:プロの判断が必要)
  • 管理維持状態が悪い
  • 災害による安全性が悪い(旧耐震など)
  • 法律上の規制区域である(第一種低層地域)
  • 悪臭や騒音の発生源などの嫌悪施設が近くにある

STEP4 
媒介方法の選択

売却を依頼する場合は、専任媒介契約か専属専任媒介契約で依頼し、一般媒介契約はなるべく避けた方がよいでしょう。専任・専属専任契約の場合、下図のように売主への報告義務があるため、依頼された企業は積極的に販売活動をします。
ただし、専任・専属専任契約を取るために敢えて高い査定額を提示し、契約後に「売れないので価格を下げましょう」と提案してくる担当者もいます。
もし、担当者を信頼できないと感じた場合は、依頼先の企業に担当者の変更を申し出ることも必要です。

種類 専属
専任
媒介
専任
媒介
一般
媒介
特徴 不動産会社1社のみに売却を依頼。・指定流通機構への登録義務・売主への報告義務 複数の不動産会社へ売却の依頼が可能。
登録
義務
あり あり 義務なし
報告
義務
1週間に1回以上販売状況を報告。 不売主へ2週間に1回以上販売状況を報告。 義務なし
自己
発見
取引
不可 可能

※自己発見取引とは、売主自身が、取引相手となる買主を見つけることです。

STEP5 
見極めのポイント

急な転勤による住み替えや相続など、いつ迄に売却したいという希望がある場合は、価格査定時に、明確な期間と希望価格を伝え、適切なアドバイスを貰えるにしておきましょう。

また、査定額がどんなに魅力的でも、信ぴょう性を感じなかったり、営業担当者の対応に不安を感じたら、規模の大小に関わらず他の会社も検討しましょう。


公開日
2023/3/1
調 査
アドパークコミュニケーションズ 不動産情報事業部
監 修
日本住環境評価センター株式会社