プロから学ぶ中古住宅の見極め術|不動産・住宅情報はホームアドパーク

不動産購入は人生の中で一番大きな買い物です。購入の際には情報をしっかり把握し、納得してから購入しないと、その後の生活に多大な影響を及ぼします。特に中古住宅は購入後のトラブルが後を絶ちません。「買って良かった」と心から思える不動産選びをのコツを、プロの視点から今回はわかりやすく説明していきます。

中古住宅のプロ「ホームインスペクター」(住宅診断士) 中古住宅のプロ「ホームインスペクター」(住宅診断士)

住宅の健康診断 住宅の健康診断

ホームインスペクターとは、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、不具合事象の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう住宅に精通した専門家です。
そんな中古住宅のプロ「ホームインスペクター」が伝授するチェックポイントから物件を見て、リスクを把握し、売買に関するトラブルを未然に防ぎましょう。

ホームインスペクター(住宅診断士)の目線で見る物件のチェックポイント ホームインスペクター(住宅診断士)の目線で見る物件のチェックポイント

今回は、ホームインスペクターが実際に住宅を「診断」する際のチェックポイントをまとめてみました。

室内のチェックポイント 室内のポイント

水回りは要チェック!

水回りは設備の経年劣化や使用状況によって交換が必要になる部分が多く、チェックするポイントも多く存在します。
蛇口回りにシミがあると水漏れしている場合があります。排水溝回りの床なども注意して見てください。水漏れによって床や壁が腐食していたり、排水がうまくできていないために臭気がこもっていたりする場合があります。

洗面所、浴室、キッチン、トイレなどは必ず実際に水を流してみて、出具合と排水状態を確認しましょう。

湿気のこもりやすい浴室ではカビも発生しやすく、タイル貼りなら特に目地に隙間やひび割れがないか、しっかり確認しておきましょう。

経年劣化しやすいゴムパッキンやシャワーホースも見るべきポイントです。シャワーホースは折れ曲がってひび割れした箇所から水漏れしていることもあります。ゴムパッキンも劣化していてはがれやすくなっている場合がありますので、細かいところですが見落とさないように。

意外と見落としてしまう天井

普段の生活でなかなか天井を見ることはないと思いますが、古い中古住宅は雨漏りや天井がゆがんでいる可能性が高くなってきます。
天井に変なシミがある場合は雨漏りや天井裏が腐食している可能性もありますので、補修が必要かどうか確認しましょう。

長い間、二階に重い家具を置いていた場合は一階の天井がゆがんでいる場合があります。
ゆがみの程度によってはこちらも補修が必要になりますので、注意して見るようにしましょう。

床下の土台は重要ポイント

床下もチェックしておきたいところです。

給水や排水のホースなども経年劣化が起こる素材のため、床下で水漏れしていないか確認しましょう。万が一、水漏れしていた場合などは交換が必要です。
床下は換気がしっかりされていなければ、湿気がこもりやすく、家の土台が腐食しているかもしれません。家の土台や柱の根っこ部分などをしっかりチェックしておきましょう。

屋外のチェックポイント 屋外のチェックポイント

外壁の状態チェック

外壁ですぐに分かるのはひび割れがないかどうか。特に大きなひび割れがあると雨が浸入して雨漏りの原因となります。

ひび割れには程度があり、ヘアークラック(髪の毛程度のひび割れ)は、それほど気にする必要はありません。外壁から基礎にかけて大きくひび割れているような場合は補修が必要となるかもしれません。

家を支える基礎部分

住宅を選ぶ場合、基礎を確認することは、重要なポイントです。特に、中古住宅の場合、基礎に問題があると床や建具の傾きやきしみなど、不具合が生じている可能性があります。

一般的にひび割れの幅0.3㎜以上、深さ0.5㎜以上の欠損はメンテナンスのサインと考えられています。

気づきにくい配管部分

家の外に配管が出ている部分などあまり気がつきにくいところですが、外壁を貫通している場合があります。このような物件の場合は、貫通部分に隙間ができていないかしっかりチェックしておきましょう。小さな隙間でも経年劣化などで隙間が大きくなると雨漏りの可能性も出てきます。

見にくい屋根もしっかり確認

屋根のチェックはなかなか難しいところです。しかし一番過酷な状況にさらされる屋根は雨・風さらに日光を常に浴び、最も劣化が激しい部分です。
古い物件の屋根瓦は割れたりズレていたりするため、屋根全体のチェックとさらに細かい瓦部分のチェックを行うようにしましょう。

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