戸建て住宅を新築する時に、どのハウスメーカーや工務店に依頼するのか、その判断基準は多岐にわたります。
間取り、設備、デザイン、会社の規模や知名度、アフターサービス等々、こだわりや優先順位は人それぞれですが、ほとんどの人が少しでも建築費を抑えたいと考えます。
「2020年度フラット35利用者調査報告」によれば、注文住宅の建築面積の全国平均は111.1m²、建築費の全国平均は2961.1万円で、平均 m²単価は266,525円となっています。
また、実際に住み始めると、月や年あるいは数年単位でさまざまな維持管理費用(ランニングコスト)が発生します。
単純に「A社よりB社の方が100万円安い」と建築費だけで判断してしまうと、数十年後には「差額の数倍ランニングコストがかかった」ということになってしまうかもしれません。
住まいのランニングコストで差がつくおもな要因は、外壁の塗装と冷暖房費です。
では、どのような家ならこれらを安くできるのか見ていきましょう。
住宅の外壁で使用される塗料には以下のような種類があります。
これらに加え、より耐久性、防汚性をアップさせるために光触媒塗料をコーティングする方法もあります。
光触媒とは、光をエネルギーとして物質に化学変化を起こさせる物質で、おもに酸化チタンが使用されます。
この物質は太陽光に当たると化学反応を起こし、外壁に付いた汚れを分解します。
また雨が降ると雨水が汚れの下に入り込み、自然に洗い流してくれるという効果もあります。
つまり手間いらずで、きれいな状態を維持できるのです。
最近はこの光触媒コーティングの耐久性が、かなり向上し、なかには耐用年数が30年という商品もあります。
現在もっともポピュラーなシリコン系塗料の
塗り替えコストを1回あたり150万円、
そして塗り替え時期を10年ごととします。
シリコン系塗料の上に
光触媒塗料をコーティングした塗装で、
耐用年数を30年とします。
クルマの場合、車両価格が多少高くても、燃費が良ければ選ばれるケースが多々ありますね。
住宅でも光熱費に関して同じ理屈が通るはずなのに、燃費を比較する方法はあまり知られていません。
一般的に高気密・高断熱な建物とされる次世代省エネ基準(1999年基準)をクリアした建物とZEHの冷暖房費を比較してみましょう。
(経済産業省 次世代省エネ住宅普及促進事業研究会調べ)
以上のように外壁塗装と燃費のいい建物にこだわれば、一般的な建物より30年間で300万円前後のコストダウンとなります。 しかし、これらはあくまでシミュレーション。実際は周辺の環境や設備の性能によってこの通りにはならないかもしれません。
とはいえ、住宅メーカーを選ぶ際は、建物価格と同時にランニングコストも比較することは必須といえます。
確認する際は、単純に「外壁の塗り替えは何年周期でいくらくらいですか?」、「この広さの建物にしたら一次エネルギー消費量は何GJですか?」と聞けばいいでしょう。